• 2018年2月16日

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 ドキュメンタリーであっても、全く飾られない日常が撮影されるワンビン監督作品。カメラがまるで存在しないかのような不思議な自然さと臨場感が混在する作風がより強まった『苦い銭』、いよいよ公開です。上海近郊の浙江省湖洲。縫製工場が立ち並ぶ街に出稼ぎにきた人々の 日々が、ジックリと写し出されていきます。彼らの息づかいさえも感じ取れるような近い距離感が、いつしか広大な現代社会そのものへとひろがっていくような感覚に囚われる映像です。

 仙台在住の作家佐伯一麦の原作をもとに、記憶を失った男(井浦新)と、震災ですべて失った女(黒川芽以)とが、偶然に出会い、支えあっていく様子を描く『二十六夜待ち』、第2週めに入ります。『海辺の生と死』『月子』と同様に、寄りそうふたつの魂を描く越川道夫監督の最新作は、遠く震災の記憶とも響きあう傑作です。

 『パラダイス三部作』で知られるオーストリアの鬼才ウルリヒ・ザイドル監督の最新作『サファリ』も2週めです。アフリカで合法的に続けられている、ヨーロッパ人による狩猟=トロフィーハンティングの現状を、刺激的な映像で綴るドキュメンタリー映画です。ナミビア共和国のハンティングロッジを舞台に、正当性を主張するハンターたちのインタビューや冷静に記録された狩猟の全貌など、非常に見応えあり! 様々な問題が内包された異色のドキュメンタリーです。

 2008年に『アンナと過ごした4日間』で17年ぶりに監督復帰して以来、コンスタントに話題作を作り続けているイエジー・スコリモフスキ監督の伝説的な青春映画『早春』、最終週です。60年代後半のポーランドの新しい映画の波の中でも、とりわけセンシティヴな作風だったスコリモフスキがイギリスで作った瑞々しい作品です。年上の奔放な美女(ポール・マッカートニーの恋人だったジェーン・アッシャー!)に翻弄される15才の美少年(この後ヴィスコンティの『ルートヴィヒ』に出演することになるジョン・モルダー=ブラウン!)が、スクリーン狭しと走り回るのを追いかけるカメラの躍動感! 時を超えて甦った傑作、お見逃しなく!

舞台挨拶のご案内を。2月24日(土)からの『三つの光』公開初日には、吉田光希監督、池田良さん(出演)、鈴木士さん(出演)、小宮一葉さん(出演・予定)の御来館がそれぞれ決まりました。もうひとつ、展示のご案内です。『写真家ミック・ロックーロック・レジェンドの創造主ー 』公開記念パネル展、ちくさ正文館書店本店(千種駅東)にて開催中です! 初日プレゼントのご案内もあります。3月17日(土)からの『デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり』公開初日、先着50名様に特製ステッカープレゼント、決まりました!


 2018年度の鑑賞会員募集を開始しました。2017年度の会員証の有効期限は、3月31日までとなっておりますので、ご注意ください。5月末日までは入会金なしでご継続いただけますので、今年度に引き続いてのご継続手続きをよろしくお願いいたします。新規のご入会も、もちろん、いつでも承ります。また、2010年度から新設しました学生会員料金、今年も継続です。大学生・大学院生・専門学校生・予備校生・高校生・中学生の皆さんは、ご入会いただくと、当日料金が1000円になるサービスです(一部作品は除きます)。また、60歳以上の皆様にも、同じく当日料金1000円でご入場いただけるシニア会員のサービスがございます。ご協力店での会員特典も少し増えました。ぜひご利用ください。詳細はこちらです。