コメディ・フランセーズ 演じられた愛 La Com die-Francaise ou l'amour jou


● コメディ・フランセーズ 演じられた愛 La Com die-Francaise ou l'amour jou
 先の映画祭で『チチカット・フォーリーズ』『動物園』など代表作14本が上映され、一躍大きな注目を集めたドキュメンタリー映画の巨匠・フレデリック・ワイズマン。軍隊や病院など巨大組織の内側にキャメラを持ちこみ、そこに生きる人々の姿をリアルに捉え続ける彼が、はじめてアメリカ社会から離れ取り組んだのが、コメディ・フランセーズの記録映画だ。
 モリエールの時代から300年を超える歴史を持つ同劇団は、世界的に見ても名門中の名門。モリエール、マリヴォー、ラシーヌらを得意演目とする彼らだけに、リハーサルシーンでの白熱した芝居作りと公演模様がまず見どころ(とりわけ『ドン・ジュアン』は絶品!)。加えて新入団員の選定や予算獲得の為の会議、退団者の功績を讃えるパーティなどが、ワイズマン作品特有の魔力とともに展開する。観客であるはずの我々を、有無を言わさず現実のなまなましいざわめきの渦中に置くあの魔力だ。演劇という虚構と、それを担う人々の現実という両翼にニラミをきかせ、ワイズマンは世界そのものをわしずかみにしていく。長いけど、見て後悔させない223分。

監督・原案・編集・録音 フレデリック・ワイズマン
96年 223分


● チチカット・フォーリーズ Titicut Follies
 ワイズマンの処女作で、精神異常犯罪者を収容した矯正院の日常を捉えた作品。収容者がどのように扱われているかを克明に追い、一般上映が24年間にわたり禁止されていた問題作。84分。

監督 フレデリック・ワイズマン
67年 84分


● バレエ Ballet
 アメリカン・バレエ・シアターの練習風景やツアーの様子を通じて、バレエ団の全貌にせまる、華麗な作品。170分。

監督 フレデリック・ワイズマン
95年 170分