『愛の悪魔 フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』ROAD SHOW


● 愛の悪魔 Love is the Devil
 ピカソと並び今世紀最大の画家と称され、92年の突然の死後も全世界でファンが増え続けている、フランシス・ベイコン。彼の実際の生涯をもとに、恋人でありモデルでもあったジョージ・ダイアーとのホモセクシュアルな関係に焦点を当てて作り出されたのは、空間が歪んだような独特の画風のベイコンの絵画作品を、そのまま映像化したような不思議な映画だ。『リメンバランス』で日本にも紹介された監督のジョン・メイブリイは、デレク・ジャーマン作品にもスタッフ参加の経験があり、ボーイ・ジョージのビデオ・クリップなどで知られる。イギリス演劇界の重鎮サー・デレク・ジャコビが本人と見まがうばかりの外見のみならず、卓越した演技力で内面的にもベイコンを再現し、ジャーマン作品や『オルランド』のティルダ・スウィントンが酒場の女主人役で顔を出している。また、本格的なサウンドトラックは『リトル・ブッダ』以来となる坂本龍一が、ノイジーでダイナミックな音作りで作品を支えている。

監督・脚本 ジョン・メイブリィ
出演 デレク・ジャコビ、ダニエル・クレイグ、ティルダ・スウィントン、アン・ラムトン 他
音楽 坂本龍一
撮影 ジョン・マティエソン
編集 ダニエル・ゴダート
美術 アラン・マクドナルド
衣装 アニー・シモンズ
98年 90分