『悦楽晩餐会』LATE ROAD SHOW


● 悦楽晩餐会 または誰と寝るかという重要な問題 Rossini order die morderische Frage, wer mit wem schlief
 ミュンヘンの秘密クラブに集う人々の生態をロマネスクに綴りあげた本作は、グリムのメルヘンやブレヒトの戯曲を生んだドイツならではの楽しさにひそむ恐怖を伝承する新作映画だ。監督ヘルムート・ディートル('44年生)は前作『シュトンク』でアカデミー賞候補他数々の映画賞を受賞。ゲッツ・ゲオルゲ(ゴダールの『東風』)、マリオ・アドルフ(『ブリキの太鼓』『秋のドイツ』)らのドイツの名優が、夜ごと愛と欲望の渦巻く「饗宴」の繰り広げられるイタリアン・レストラン「ロッシーニ」に起こった、常連の書いた小説の映画化権争奪騒動をきっかけに、妖しげな人間模様の深味へ踏みこむ女優(グートルン・ラントグレーベ)たちと絶妙のアンサンブルを奏でる。

監督 ヘルムート・ディートル
出演 ゲッツ・ゲオルグ、マリオ・アドルフ、ハイナー・ロイターバッハ、グートルン・ラントグレーベ 他
撮影 ゲルノット・ロール
編集 イネス・レニエ
音楽 ダリオ・ファリーナ
美術 アルブレヒト・コンラート
衣装 ベルント・シュトッキンガー
脚本 ヘルムート・ディートル、パトリック・ジュースキント
96年 114分。