孔雀(KUJAKU)Away with Words


● 孔雀(KUJAKU)Away with Words
 『天使の涙』や『ブエノスアイレス』などのウォン・カーウァイ作品を美しい映像でささえ、最近ではハリウッドに呼ばれてガス・ヴァン・サント監督の話題作『サイコ』の撮影監督をつとめた、香港の名物カメラマン、クリストファー・ドイルの初監督作品の登場です。主演は『鮫肌男と桃尻女』や『ねじ式』での個性的な演技で絶大な人気を誇る浅野忠信。オーストラリアから香港に渡ったドイルの生涯を反復するように彷徨する主人公を印象的に演じています。
 アサノ(浅野忠信)は、沖縄の竹富島で生まれた。目に入ってきたものを特別な言葉に置き換えてすべて記憶できる特異な能力を持つ彼の心は、いつしか記憶そのものにむしばまれ、疲れきっていた。そんなある日、ふと彼は海に向かって走り出す。見渡すかぎりの青い風景の中で彼は記憶の闇から開放される。行きついた場所は香港の裏町だった。記憶から一切開放された(ほとんど何も覚える気がない)ゲイのマスターが経営するバーに流れつくアサノ。孔雀色のソファに埋もれながら彼は自分の居場所をようやく見つけるのだった。音楽は板橋文夫とミサ・ジョーイ。

監督・脚本・撮影 クリストファー・ドイル
出演 浅野忠信、ケビン・シャーロック、シュー・メイチン 他
脚本 トニー・レインズ
録音 郡弘道
音楽 板橋文夫、ミサ・ジョーイ
99年 90分 カラー