チェコアニメ映画祭'99〈全26作品・3プログラム〉


○チェコアニメ映画祭'99〈全26作品・3プログラム〉
 動かぬものが動きだす!?
偉大な職人にして偉大なシュルレアリストたちの頂点に立つ作家イジー・トルンカ(1912〜69)、ヤン・シュヴァンクマイエル(1934〜)、ヴァーツラフ・メルグル(1935〜)、イジー・バルタ(1948〜)の足跡と共に、頭痛がするほど緻密な展開でドジを連発する、ウォレスとグルミットも仰天の人形アニメ「Pat & Mat」(パットとマット)で'97年ワールド・アニメーション・セレブレーション堂々一位に輝いたルボミール・ベネシュ(1935〜)〈監督・脚本〉とヴラディミール・イラーネク(1938〜)〈脚本・デザイン〉を紹介します。
Aプロ
 イラーネクが現代生活をシニカルに描いたセルアニメ文明からのレポート(Zprava o stavu civilizace)、「Pat & Mat」シリーズから『鍵(Klic)』『ドア(Dvere)』『屋根(Strecha)』『家具(Nabytek)』『大掃除(Generalniuklid)』では平穏な日常がパットとマットのおマヌケな手にかかりみるみる大パニックに。叙情派の至高トルンカはチェコ・ウエスタン『草原の唄(Arie-prerie)』と、権力への切ない抵抗を箱庭美学で追求した傑作(遺作)『手(Ruka)』。全87分。
Bプロ
 イラーネクの描線が映える『ニワトリに何をしたか(Co jsme ud lali slepicim)』、メルグルのSF『カニ(Krabi)』、「Pat & Mat」は『ビスケット(Su enky)』『サイクリング(Cyklisti)』『レンガ(Pla dice)』『寄せ木細工(Parkety)』『幌つき自動車(kabriolet)』。
 巨匠シュヴァンクマイエルは、世界中のサポーターを赤面させた?
 快作『男のゲーム(Muzne hry)』とクレイアニメの傑作『対話の可能性(Mo nosti dialogu)』。全83分。
Cプロ
 イラーネクの洗練された短編集『グッドモーニング(Dobre jitro)』、『パンク(Nehoda)』『ビリヤード(Kule nik)』『金庫(Trezor)』『模型(Modelari)』『ウィンドサーフィン(Winds urting)』の「Pat & Mat」は破壊活動の念入りさで観客を絶叫させる。バルタのユダヤ伝説とアニメ手法を駆使した傑作『ゴーレム・パイロット版(Golem)』、映画史のパロディ『手袋の失われた世界(Zanikly svet t rukavic)』、彩色が美しい幻想的な『最後の盗み(Poslednf lup)』。全87分。