『Made in U.S.A.』


●Made in U.S.A.
 60年代、ゴダールがアンナ・カリーナと長編では最後にコラボレーションした、ゴダールらしい、ポップな原色、サウンドコラージュ、挿入される詩的なダイアローグと鮮烈な映像に満ちた傑作。ゴダール自ら編集した予告編で謳われる通り、これは「詩的な映画」「政治的な映画」「探偵映画」であり、ゴダール流アメリカン=おしゃれな軽さと、意地悪な嘲笑と憧憬がないまぜになった、楽しい魅力的な作品なのです。
 すべてがアメリカ化されたフランスの街、アトランティック・シティへ、元婚約者・ディックことリシャールの死の真相を確かめに訪れたポーラ・ネルソン(アンナ・カリーナ)。しかし、彼が共産主義者の前市長暗殺事件に関わりのあったことが次第に明らかになっていき、彼女自身も警察やギャングの思惑が交錯する、幾重にも重なった殺害劇に巻き込まれていく…。
 ミック・ジャガーの愛した、マリアンヌ・フェイスフルが彼の曲「As tears go by」を歌うシーンもあり。

監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
出演 アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ、ジャン=ピエール・レオ-、マリアンヌ・フェイスフル 他
撮影 ラウル・クタール
原作 リチャード・スターク
66年 87分 カラー