『未来展望』『ラ・ジュテ』


●未来展望 Anticipation
 ジャン=リュック・ゴダールが『アルファヴィル』に続いて撮った近未来SF短篇。アンナ・カリーナとの最後の仕事でもある。オムニバス映画『愛すべき女・女たち』の一話で旧題は『2001年愛の交換:未来』。28年ぶりの公開だ。管理社会の売春婦に愛を説く士官の物語を背景に、大胆な色調実験が試みられている。音楽、ミッシェル・ルグラン。20分。

●ラ・ジュテ La Jete
『12モンキーズ』の原案としてだけでなく、ドキュメンタリー作家クリス・マルケルの名をヌーヴェル・ヴァーグと共に不動にした記念碑的傑作。フォト・ロマンの静止画と音の奔流が生み出す、第三次世界大戦の勃発前のオルリー空港(『未来展望』の舞台でもある)の回想から、荒廃した世界への切なく美しい時間旅行は、今も観る者の心を激しくうつだろう。'63年にジャン・ヴィゴ賞、トリエステSF映画祭金賞受賞。29分。