第13回自主製作映画フェスティバル


 年末の恒例企画、自主FES。これを観ずして年は越せません。21世紀を目前に今年 も期待の作家、新進作家、名古屋在住の作家を取り混ぜてのプログラムです。乞御期 待!

Aプロ
● はなされるGANG
 2000年2月に当館にて公開予定の『M/OTHER』の上映が 待たれる諏訪敦彦監督の84年の作品。劇映画の形をとりながら、フィクションとノン フィクションが交錯する本作品は、『2/デュオ』へとつながる諏訪監督の映画作りの 原点を捉えられる、PFF85入選作。85分。23日には監督のトークショーも予定してい ます。旧作と合わせて諏訪監督の監督術の秘密を探ってみませんか?

Bプロ
● グループ魂のでんきまむし
 『クラゲ釣り』と『猿で行く』という印象 深い作品で、かつて自主フェスを席巻した藤田秀幸監督の最新作。松尾スズキ率いる 人気劇団大人計画の中の奇怪なユニット、グループ魂を、同じグループ名のまま登場 させ、『ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ!ヤァ!』真っ青の(?)「アイドル映 画」に仕立てた怪作。119分。


○ Four Fresh!'99+2
 映画美学校の卒業製作として去年から始められた企画の第2 弾。今年は高等科の作品2点(『意外と死なない』『薄羽の蝶』)を併せて、6作品 を2プロ(C、D)にわけ上映。

Cプロ
 理想とかけ離れた教員生活を送る主人公が孤軍奮闘する『意外と死なな い』は、監督自身の好演が光る42分。同僚教師には愛染恭子も出演。『黒アゲハ教 授』は、本の森の中に生きる人々という虚構世界を、虚構のままに静かな濃密な時間 の中で描こうとしている。30分。ひたすらにドラムを叩き「リズム」を生産する会社 という寓意的な設定を、社員のドラム強奪計画という更なる寓意に満ちた展開へと持 ち込む『よろこび』は、今年のFour Fresh! のうち唯一の男性監督作品。32分。

Dプロ
 退屈な日常にあきらめムードのOLが、ささやかな日常の中でささやかな希望 に気づく『薄羽の蝶』は、監督自身が実際に経験した事実をもとに構成されている。 23分。サスペンス・タッチの『犬を撃つ』は、少年時代の不確かな記憶の底に沈む不 可解な殺人事件を、混乱する記憶と現実との間に主人公の青年が追体験してしまう幻 想譚。32分。『集い』は、隠れ里的な空間に迷い込む少女が目にする、風変わりな擬 似家族の様子が、さらに幻想的色彩を強めて描かれる。30分。

Eプロ
 「何でも持って来い!」常連の名古屋在住作家、上馬場健弘監督の特集。今 年の神奈川映像コンクールで見事グランプリを、あきる野映画祭では審査員特別賞を 獲得した『rebound』は、オフ・ビートなコメディ。魅力的な女優陣を、丁寧なカメ ラワークで追う40分。新作の『スーパーラヴァーズ』は、恋愛そのものになじめない 女の子の恋愛模様をスリリングにまとめている。25分。