『キングス・オブ・クレズマー』MORNING ROAD SHOW


● キングス・オブ・クレズマー A Tickle in the Heart
 近年、ジョン・ゾーンのユ ニット「マサダ」や巻上公一、梅津和時たちも取り上げ、復活のきざしを見せている クレズマー・ミュージック。「クレズマー」とは、主に放浪のユダヤ人楽士によっ て、ユダヤ人の結婚式などの儀式の際にさかんに演奏された音楽。特に黄金期の19世 紀末から20世紀初頭には、西ヨーロッパからの移民のユダヤ人たちが活動の場を広 げ、様々な音楽に影響を与えている。(ちなみにドナドナもその内の一曲らしい。)  しかし、ラジオなどの普及や移民の世代交代にともない、クレズマー・ミュー ジュックは衰退し、ほとんど忘れられてしまった。
 最近ようやく再評価の声も高まり、少しずつ形を変えて若手のクレズマーたちが現 れているが、この映画では「最後の伝統的クレズマー」エプスティン兄弟の姿はもち ろんのこと、演奏を聞くことができちゃいます。
 長兄が80歳代を迎える兄弟の遅咲きなサクセス・ストーリー。最初は撮影に戸惑い すら見せていた兄弟たちだが、観客を前にしたスクリーンで見た時には、感動をあら わにしていたそう。モノクロームの深みある映像と共に、是非、このどこの国とも言 えぬ、でも何か懐かしさを感じさせる音楽をお楽しみ下さい。

監督 シュテファン・シュヴィーテルト
出演 マックス・エプスティン、ウィリー・エプスティン、ジュリー・エプスティン
撮影 ロベルト・リッヒマン
音響 アレクサンドル・グルッツェフ、マルク・オッティカー
編集 アルパド・ボンディー
1996年 84分


【モノクロ】