『タイムレス メロディ』ROAD SHOW


● タイムレス メロディ
 93年の『ピクニック』、94年の『砂漠の民カザック』の2 作品がいずれもPFFアワ−ドを受賞した68年生まれの奥原浩志監督が、その作品の持 つ可能性を評価されて獲得したPFFスカラシップによって製作した長編デビュ−作。 古ぼけたビリヤード場に住むミュージシャン河本(「イカ天」最末期を席捲した強力 な三人組バンドLITTLE CREATURESの青柳拓次)は、ほとんど客が来ない店に楽器を持 ち込みスタジオ代わりにしている。バンド仲間とも恋人とも呼べそうなチカコ(雑誌 Oliveで大活躍の市川実日子)と過ごす日々は平穏で退屈でありながら、ささやかな 充実感がないわけではない。ゆったりと流れる空気感が全編を覆い、ふたりとは一見 無関係にたびたび挟まれるエピソ−ドの数々が彼らを包み込む世界の重厚さを垣間見 せたりもする。まさに永遠に続く音楽のような作品。

監督・脚本 奥原浩志
出演 青柳拓次、市川実日子、近藤太郎、余貴美子、若松武史 ほか
撮影 福本淳
照明 祷宮信
録音 西岡正己、福田信
美術 林千奈
編集 奥原浩志、仙頭武則
音楽 青柳拓次
助監督 大森立嗣
1999年 95分