〈№1106〉新ピンク零年(2) ●姉妹どんぶり抜かずに中で（原題：イノセント・キス）　　恋人との結婚になかなか踏み切れない葉子（貴奈子)。彼女には８年越しのボーイフレンド、タカシ（石川雄也）がいて、彼とは何でも気さくに話し合える間柄だった。ある日、上京してきた葉子の妹がタカシと寝てしまったことから、二人の関係は狂い始め…。　女優としても活躍中の吉行由実と脚本家・五代晩子の女性コンビが贈る、心洗われるピンク映画の傑作。‘フレンチ・クルーラー’‘手話’‘工リック・ロメール’といったキーワードで、揺れる男女の心をヴィヴィットに描き出す。監督　吉行由実脚本　五代暁子出演　貴奈子、石川雄也　吉行由実 97年　カラー　60分 ●痴漢タクシー　エクスタシードライバー（原題：エクスタシー・ドライハー）　　リストラされ恋人にも去られて、失意のままタクシー運転手に転身した昌弘（田中要次）は、客として乗せた女子高生・沙織（奈賀毬子）に惹かれるものを感じる。ヒモと２人で売春を繰り返す沙織を見かねた彼は、客のヤクザが忘れた拳銃を手に、単身救出に向かうが…。　エリート街道から一転、白暴自棄の日々に落ちた男の回復と再生を、ユーモアとアクションをまじえ優しく見つめた秀作。等身大の主人公を演じた田中要次は渋さも増して、さらに快調! 監督　新里猛作脚本　大河原ちさと出演　奈賀毬子、田中要次、佐倉萌 1999年　カラー　62分 ●男痕　-THE MAN‐（原題：男痕　-THE MAN‐）　　殺し屋のミツル（伊藤猛）は依頼を受けマフィアの一団を皆殺しにする。仕事を済ませ時特の平穏を得たミツルだったが、仕留め損なったターゲットが残っていた。遊びの時間を終らせ、自らの痕跡を世界から吹き消した彼は、再び統をとる。「白転車吐息」「部屋　THE ROOM」「うつしみ」で知られるインディーズ映面の雄・園子温が初めて挑んだピンクにして薔薇族映画（ゲイ・ムーピー）。Ｊ＝Ｐ・メルヴィルのフィルム・ノワールを思わせる、スタイリッシュなタッチのハードボイルトだ。監督・脚本　園子温出演　伊藤猛、黒岩研嗣、杉山正弘 1998年　カラー　60分 ●好色夫婦　すすって欲しい（原題：ユーモレスク）　　ひとみ（山崎瞳）は不倫相手の鈴本（園子温）とともに田舎町に駆け落ちしてきた。彼女が働くことになったそば屋の常連客の大介（港雄一）は、ひとみに今は痴呆症の妻の若かりし頃の面影をみる。それは大介にとって、失われた妻ヘの恋愛感情と、パラパラになってしまった家族への慈しみを思い起こさせるのだった…。映像派・荒木太郎と脚本の吉行由実とのコラポレーションが紡ぎだす、癒しと安らぎに満ちたノスタルジックな作品。園子温のカラミぶりも見モノ。監督　荒木太郎脚本　吉行由実出演　山崎瞳　港雄一　園子温 1999年　カラー　60分 ●不倫妻　情炎（原題：雪、女）　　雪につつまれた村の民宿で男（川瀬陽太）はユキコ（伊藤清美）を待っている。二人は何も見いだせないこの村とユキコの夫（下元史郎）から逃げ出す約束をしていた。駆け落ちのために処分した愛犬と散歩した川、初めてユキコと出会ったあの日…美しい記憶は、つのる焦燥感によって狂おしい妄想へと変わってゆく。　前回、好評を得た「ぐしょ濡れ美容師　すけべな下身」、女池充の新作。ストイックなスタイルで、情痴の果てに燃え残る愛を美しく描いた。監督・脚本　女池充出演　伊藤清美、川瀬陽太、本多菊雄 2000年　カラー　59分

新ピンク零年(2)

●姉妹どんぶり抜かずに中で（原題：イノセント・キス）　
　恋人との結婚になかなか踏み切れない葉子（貴奈子)。彼女には８年越しのボーイフレンド、タカシ（石川雄也）がいて、彼とは何でも気さくに話し合える間柄だった。ある日、上京してきた葉子の妹がタカシと寝てしまったことから、二人の関係は狂い始め…。
　女優としても活躍中の吉行由実と脚本家・五代晩子の女性コンビが贈る、心洗われるピンク映画の傑作。‘フレンチ・クルーラー’‘手話’‘工リック・ロメール’といったキーワードで、揺れる男女の心をヴィヴィットに描き出す。

監督　吉行由実
脚本　五代暁子
出演　貴奈子、石川雄也　吉行由実
97年　60分

●痴漢タクシー　エクスタシードライバー（原題：エクスタシー・ドライハー）　
　リストラされ恋人にも去られて、失意のままタクシー運転手に転身した昌弘（田中要次）は、客として乗せた女子高生・沙織（奈賀毬子）に惹かれるものを感じる。ヒモと２人で売春を繰り返す沙織を見かねた彼は、客のヤクザが忘れた拳銃を手に、単身救出に向かうが…。
　エリート街道から一転、白暴自棄の日々に落ちた男の回復と再生を、ユーモアとアクションをまじえ優しく見つめた秀作。等身大の主人公を演じた田中要次は渋さも増して、さらに快調!

監督　新里猛作
脚本　大河原ちさと
出演　奈賀毬子、田中要次、佐倉萌
1999年　62分

●男痕　-THE MAN‐（原題：男痕　-THE MAN‐）　
　殺し屋のミツル（伊藤猛）は依頼を受けマフィアの一団を皆殺しにする。仕事を済ませ時特の平穏を得たミツルだったが、仕留め損なったターゲットが残っていた。遊びの時間を終らせ、自らの痕跡を世界から吹き消した彼は、再び統をとる。
「白転車吐息」「部屋　THE ROOM」「うつしみ」で知られるインディーズ映面の雄・園子温が初めて挑んだピンクにして薔薇族映画（ゲイ・ムーピー）。Ｊ＝Ｐ・メルヴィルのフィルム・ノワールを思わせる、スタイリッシュなタッチのハードボイルトだ。

監督・脚本　園子温
出演　伊藤猛、黒岩研嗣、杉山正弘
1998年　60分

●好色夫婦　すすって欲しい（原題：ユーモレスク）　
　ひとみ（山崎瞳）は不倫相手の鈴本（園子温）とともに田舎町に駆け落ちしてきた。彼女が働くことになったそば屋の常連客の大介（港雄一）は、ひとみに今は痴呆症の妻の若かりし頃の面影をみる。それは大介にとって、失われた妻ヘの恋愛感情と、パラパラになってしまった家族への慈しみを思い起こさせるのだった…。
映像派・荒木太郎と脚本の吉行由実とのコラポレーションが紡ぎだす、癒しと安らぎに満ちたノスタルジックな作品。園子温のカラミぶりも見モノ。

監督　荒木太郎
脚本　吉行由実
出演　山崎瞳　港雄一　園子温
1999年　60分

●不倫妻　情炎（原題：雪、女）　
　雪につつまれた村の民宿で男（川瀬陽太）はユキコ（伊藤清美）を待っている。二人は何も見いだせないこの村とユキコの夫（下元史郎）から逃げ出す約束をしていた。駆け落ちのために処分した愛犬と散歩した川、初めてユキコと出会ったあの日…美しい記憶は、つのる焦燥感によって狂おしい妄想へと変わってゆく。
　前回、好評を得た「ぐしょ濡れ美容師　すけべな下身」、女池充の新作。ストイックなスタイルで、情痴の果てに燃え残る愛を美しく描いた。

監督・脚本　女池充
出演　伊藤清美、川瀬陽太、本多菊雄
2000年　59分

【カラー】