〈1136〉第14回自主製作映画フェスティバル
○14回目を迎える、年末の恒例イベント、自主FES。今年は夏の公募に集まった多数の作品から、当館が厳選したプログラムもできました。新進気鋭の作家たちの競演をお楽しみください。
Aプロ 園子温監督最新作特集。
●0cm4 デザイナー、SHINICHIRO ARAKAWAに依頼されパリ・コレクションのための映像作品としてつくられたが、視覚と色彩そのものをテーマとした純然たる劇映画。永瀬正敏ほか、出演。22分。
●風 山形県立川町を舞台につくられた小品。風力発電の風車が印象的な町を舞台にした可憐な青春映画。若松孝二監督が「風の精」役で出演。28分。
Bプロ ドキュメントとドラマが混在する語り口の鎌田作品特集。
●おれたちの地震 神戸で育った監督が震災を機に故郷の町にカメラを向ける。40分。
●私を女優にしときなさい 恋人と自分の距離を間にカメラを挟むことで相対化する異色の恋愛ドラマ。作者自身のナレーションが絶妙のスパイスとなっている。90分。
Cプロ
●踊り死ぬなら天国まで 音楽性を重視した前作より劇映画色を強め新たな展開を見せる、河本隆志監督のPFF入選後第1作。昨年の自主FESで特集した上馬場監督が脇役で出演。完成後初の一般上映。65分。
●月触金魚 兄と妹の関係を軸に幻想的な映像でつづるファンタジックな作品。イメージショットの多用と統一されたトーンは完成度を高めている。57分。(公募作品)
Dプロ
●JAM 水戸短編映像祭審査員奨励賞受賞。今どきな、だらしない男(福島監督、好演!)と、わがままな女の恋愛模様が、一見ラフな雰囲気ながら緻密に展開。30分。(公募作品)
●世界の終わりはあなたと一緒に ノストラダムスの終末ネタの軽妙なコメディ。光浦靖子が抜群のコメディリリーフぶりを見せている。みちのく国際ミステリー映画祭オフシアター部門上映。33分。
●二人で育てよう。 センシティブな即興演出で撮られた恋愛映画。時にリアルに時にルーズに流れる緊張感がやや未完成な印象ながら、この作家の未来を予感させる。67分。(公募作品)
○招待監督プロフィール紹介
園子温 65年生。映画監督・詩人。代表作『自転車吐息』『桂子ですけど』など。昨年は愛知芸術文化センターのオリジナル映像作品『うつしみ』を監督するなど多方面で活躍。
鎌田ダイシ 高校時代から作品多数。数年来「何でも持ってこい!」に出品を続け、一風変わった作風が評判になる。スーパー一座の公演に参加。
河本隆志 74年生。名古屋ビジュアルアーツでは奥林恒と同期。昨年のPFFで『おかえりなさい、まんちゃん』が入選。(PFFの模様はシネマテーク通信9月号評論欄参照されたし!)
福島拓哉 73年生。大学時代を名古屋で過ごし、8ミリ作品を多数監督。97年には『TIME IS ON MY SIDE』でPFF入選。
奥林 恒 75年生。名古屋ビジュアルアーツ在学中から映像製作。シナリオも自分で書くが、今回の作品では即興演出に挑んだ。
老平和由 80年生。今年名古屋ビジュアルアーツを卒業。「四季と忘れ物」が映画を作る上でのテーマという。現在は名古屋市内の映像プロダクションで修業中。
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