〈1141〉新ピンク零年3 LATE SHOW


●ノーパン痴漢電車 見えちゃった!! レコードショップで働くタダシ(佐藤幹雄)は変わりばえしない日々を送っている。ある日、電車で高校時代の同級生(山崎瞳)と再会し、心の揺れを感じるが…。『OLの愛汁 ラブジュース』でピンク映画の枠を超え注目を集めた田尻裕司が、よしもとよしとも作のコミック「オレンジ」をもとに、青春期に人を捉える一瞬の高揚感を鮮やかに描く。64分。
●愛欲みだれ妻 いつも優しくいたわり合っている夫婦(田中要次&諏訪光代)。しかし夫には愛人(浅丘珠里)がいた。その事実を知ったとき妻は…。殺気に満ちた『感じるイボイボ』、怪獣出現作『弁天のお尻』と異色作を連打してきた今岡信治が、一転して対象への慈愛に豊んだタッチで新境地を開いた傑作。ピンク映画の王者を競うP-1 GRAND-PRIX2000準グランプリ!63分。
●痴漢電車 感じるイボイボ 恋人いち子が消え、失意の末、会社も辞めた良夫(川瀬陽太)は、いち子を探すうちに孝子(水乃麻亜子)という不思議な女と出会う。得体の知れない孝子の友人(佐野和宏)から時限爆弾をもらった2人は、危険な遊びに興じ始めるが…。繊細さと暴力性が並走し、かすかな希望と虚無感が共存する、異才・今岡の初期代表作。63分。
●性戯の達人 女体壺さぐり 人気陶芸家ナミエ(夢乃)は病身の師匠(園子温)を介護しつつ、品評会をめざしていた。しかし大賞が確実視されていたナミエの前に強敵・ヒカル(神崎優)が出現。師匠は病を押してヒカルの壺作りの秘密を探りに行くが…。『自転車吐息』『うつしみ』の園子温が、芸術も、ピンク映画さえも笑いとばした、アナーキーでハチャメチャな怪作。60分。
●ノーパン妻 週末は不倫狂い 官能小説家・敦子(佐々木麻由子)は夫と暮らしながら新作を執筆していた。小説中の主人公は、美しい妻(吉行由美)がいながら浮気している冴えない男。実は敦子の夫も浮気している気配だ。彼女は現実と小説の間を往き来しながら、それぞれの結末を探していく。期待の俊英・国沢実が、ふたつの世界を巧みに織り上げ、映画的エロスの真髄を見せる。60分。
●多淫OL 朝まで抜かないで 雨の日、塔子(佐々木ユメカ)は昔の恋人(川瀬陽太)と再会した。今は新しい恋人がいる二人だが、あらためて惹かれあう気持ちを抑えることができない…。『ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身』で、人の心のさすらいを優しく見つめた女池充が再び本領を発揮する。脚本協力・荒井晴彦。63分。