〈1152〉『はなればなれに』ROAD SHOW


●はなればなれに Bande a part ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、映画史の最前線で活躍してきたジャン=リュック・ゴダール。20世紀を締めくくるように完成させ、2000年夏の当館での公開でも話題を独占した『映画史』で、その健在ぶりを示した彼の、幻の傑作が登場します。若きアンナ・カリーナに恋するふたり組には、サミー・フレイとクロード・ブラッスール。当時のフランス映画界きってのさわやかでみずみずしい三人が、真冬のセーヌ支流河畔の豪邸から大金を強奪しようと、画面いっぱいに踊り、走り回る爽快な展開は即興的な冒険に溢れています。『勝手にしやがれ』の続編とゴダール本人が言い、ラストシーンで『気狂いピエロ』を予告するかのような本作品は、タランティーノやビクトル・エリセ、ヴィム・ヴェンダース、アニエスb.らが心から愛するベストワン映画にあげているほどです。日本では長い間正式公開されず、一部のファンだけが、美しいモノクロームが冴え渡る、ゴダールの最高傑作だと密かに語り伝えてきましたが、36年の歳月を経て、ようやくの劇場初公開となります。

監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
出演 アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスール 他
撮影 ラウル・クタール
音楽 ミシェル・ルグラン
編集 アニエス・ギュモ
音響 アントワーヌ・ボンファンティ

1964年 カラー 96分