〈1154〉『鳥の歌』公開記念 ボリビア・ウカマウ映画祭


○'60年代からラテンアメリカの先住民を撮り続け、ゴダール、小川紳介ら映画人に多くの支持を広げたウカマウ(アイマラ語で「真実はこうだ」の意味)集団。昨年末、監督ホルヘ・サンヒネスが来館し、その一夜の多くの皆様のご要望のもと、回顧上映が実現した。
●鳥の歌 Para Recibir el Canto de los Pajaros 16世紀にアンデス社会へきたスペイン遠征隊の物語を撮る映画集団と、ロケ地の原住民との軋轢と畏怖から、新たな共生を優しく模索する最新作。出演ジェラルディン・チャップリン。100分。
●地下の民 La Nacion Clandestina 故郷を追放された青年が、慰謝を示す「死の踊り」の仮面を背負い、帰路につく。数々の回想がアンデスの神話的宇宙観を織り成す傑作。125分。
●ウカマウ Ukamau 仲買人に殺された妻の復讐を果たす農民を描く初長編。初期短篇『革命』『落盤』を同時上映。計105分。
●コンドルの血 Sangre de Condor アメリカの平和部隊が行なった不妊手術を告発。実際にボリビアからの部隊撤退の動因にもなった記念碑的作品。82分。
●人民の勇気 El Coraje del Pueblo '67年、政府軍に急襲された鉱山居住区の生存者の証言を再構成し、世界を揺るがした。100分。
●第一の敵 El Enemigo Principal 理不尽に投獄された村民たちがゲリラと連帯し共同闘争を展開。ゲバラの死を内包する素朴かつ圧倒的な記録。110分。
●ここから出ていけ! Fuera de Aqui! 北アメリカの宣教師によって広められた個人主義観によって、崩壊しかけた村の新たな結束を描く。革命的映画実践の頂点を成す作品。100分。
●ただひとつの拳のごとく Las Banderas del Amanecer '82年ボリビア文民政権樹立までの民衆運動を、様々な人々の真実の声で感動的に創造した、初のドキュメンタリー。92分。