〈№1162〉『アカシアの道』ROAD SHOW ●アカシアの道　90年に『バタアシ金魚』で鮮烈にデビューした松岡錠司監督。以来、内面の弱さやエゴに苦しみながらも、懸命に生きる人々の姿を、優しい視点で描いてきた彼が、渾身の力をこめて放つ最新作です。簡潔な画風で心の機微をとらえる、近藤ようこの同名マンガを原作に、母と娘との関係を、ベテランと呼ぶにふさわしい経験と技術を活かしつつ、まるでデビュー作のように初々しく、そして静謐な傑作へと昇華させました。松岡監督とは久々の顔合わせとなる夏川結衣が、愛憎相半ばする母親への複雑な感情を見事に体現し、ベテラン渡辺美佐子が、人生の終わりを迎えて不安にさいなまれる老母を淡々と演じます。年老いた母の様子を見るために、長く離れていた実家に戻ることにした美和子（夏川結衣）。かつて厳しかった母は、いまやかつての毅然とした母ではなく、ひとりでは暮らせなくなっています。仕事と介護の両立に疲れ、かといって逃げ場もなく、時に母につらくあたってしまう美和子は、20年前とは立場が逆転している母との関係に気付かざるをえません。失った長い時間を取り戻すかのように、ふたりは新たな関係を紡ぎなおしていくのですが…。90分。

〈№1162〉『アカシアの道』ROAD SHOW

●アカシアの道　90年に『バタアシ金魚』で鮮烈にデビューした松岡錠司監督。以来、内面の弱さやエゴに苦しみながらも、懸命に生きる人々の姿を、優しい視点で描いてきた彼が、渾身の力をこめて放つ最新作です。簡潔な画風で心の機微をとらえる、近藤ようこの同名マンガを原作に、母と娘との関係を、ベテランと呼ぶにふさわしい経験と技術を活かしつつ、まるでデビュー作のように初々しく、そして静謐な傑作へと昇華させました。松岡監督とは久々の顔合わせとなる夏川結衣が、愛憎相半ばする母親への複雑な感情を見事に体現し、ベテラン渡辺美佐子が、人生の終わりを迎えて不安にさいなまれる老母を淡々と演じます。年老いた母の様子を見るために、長く離れていた実家に戻ることにした美和子（夏川結衣）。かつて厳しかった母は、いまやかつての毅然とした母ではなく、ひとりでは暮らせなくなっています。仕事と介護の両立に疲れ、かといって逃げ場もなく、時に母につらくあたってしまう美和子は、20年前とは立場が逆転している母との関係に気付かざるをえません。失った長い時間を取り戻すかのように、ふたりは新たな関係を紡ぎなおしていくのですが…。90分。

監督･脚本　松岡錠司
撮影･照明　笠松則通
原作　近藤ようこ
録音　橋本文雄
美術　磯見俊裕
衣装　宮本まさ枝
音楽　茂野雅道
編集　普嶋信一
出演　夏川結衣，渡辺美佐子，杉本哲太　他

2000年　カラー　90分

【カラー】