〈1165〉『式日』ROAD SHOW
●式日 世紀末日本の混沌とした気分をみごとに写しとって話題を集めたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で、一躍脚光を浴びた庵野秀明監督。索漠とした心象風景を巧みに映像化した手腕を今回も発揮して、『ラブ&ポップ』に続く実写作品に挑んでいます。また、『Love Letter』、『スワロウテイル』を監督した岩井俊二が、「カントク」役として映画初出演。庵野秀明の心の分身とも言うべき存在を堂々と演じています。主人公の「彼女」役には、この作品の原作となった小説『逃避夢』の著者でもある藤谷文子。作家としても女優としても感性豊かな人物像を描きあげ、『ガメラ』シリーズで好演してきた、ガメラと意思を疎通させる不思議な少女とは全く異なる魅力を見せています。脇を支える顔ぶれも、大竹しのぶ、村上淳と異色の豪華顔合わせとなりました。式日とは、儀式の古い言い方。延々と自分の「誕生日の前日」の儀式を執り行いつづける「彼女」と、成功に倦んで創作へのモティベーションを喪失した「カントク」が出会うところから映画は始まります。つらい現実から逃げ出すために今日を繰り返す彼女に興味をもった彼は、ビデオカメラを回し始めます。128分。
監督・脚本 庵野秀明
出演 岩井俊二,藤谷文子,大竹しのぶ,村上淳
録音 橋本泰夫,清水和法
編集 上野聡一
撮影 長田勇一
照明 長田達也
美術 林田裕至
音楽 加古隆
2000年 カラー 128分
庵野秀明監督のオフィシャルページ
「式日」のオフィシャルサイト
【カラー】