〈1174〉『ウィンタースリーパー』公開記念N.S.W.コレクション


●ウィンター・スリーパー Winterschlaefer 98年の『ラン・ローラ・ラン』の大ヒットで一躍、世界の注目を集めたドイツの新鋭監督、トム・ティクヴァ。彼の97年の作品で、世界各国のプレスから大絶賛を浴びた本作が、ようやく日本でも劇場公開!雪の降り積もる、白く閑散とした田舎町で5人の男女が偶然に導かれ、微妙に絡まりあい、複雑に物語を織りなしていくノワール的群像劇。豪快で個性的なカメラワークと、鮮烈な色彩感覚や、あまりに繊細で美しい雪原の風景は圧倒的だ。そして度肝を抜く、映画史に残るであろう前代未聞の“飛翔”は、凄まじい開放感を観る者にもたらすはず。必見!の122分。
●小さな兵隊 Le Petit Soldat J=L.ゴダールとアンナ・カリーナのコンビ第1作。暗殺の指令を受けた秘密諜報員。暗殺だけには手を出したくない彼は、知り合ってすぐ恋に落ちた女との逃亡を試みるが…。めまぐるしいダイアローグや、アンナのハッとする魅力的な仕草、スタイリッシュで印象的な演出の際立つ、ゴダール初期の結晶的作品。88分。
●アンナ Anna アンナ・カリーナ、セルジュ・ゲンスブール、そしてマリアンヌ・フェイスフルが共演するフレンチ・ポップ・ミュージカル・コメディ。オシャレなインテリアとファッションに注目!「メガネっ娘がメガネを取ると実は美人」って、やっぱり不変的にカワイイ物語なのだ。86分。
●砂丘 Zabriskie Point 巨匠アントニオーニのイタリア版ニューシネマ。音楽にピンク・フロイドやグレイトフル・デッドを用い、偶然出会った若き男女の、破滅の香り漂う逃避行と幻想を描く。110分。
●スタン・ザ・フラッシャー Stan the Flasher セルジュ・ゲンスブールが、死の前年に発表した映画的遺言ともいうべき作品。少女たちの前で自分の性器を露出する変質者の男と、美しき小悪魔的ロリータの、退廃とペシミズムに彩られた物語。70分。
●ワンダーウォールWonderwall 初老で独身のコリンズ教授は、ひょんなことから部屋の壁に穴が開き、隣に蠱惑的な女の子が住んでいるのを発見。その日以来、サイケでキッチュな色彩に彩られたモデル、ペニーの観察を始める…。ジェーン・バーキンが謎めいた麻薬的魅力を放つペニーを、音楽はジョージ・ハリスンが担当。92分。
●Made in U.S.A. ゴダールとアンナ・カリーナの最後のコラボレーション。ゴダールによる“アメリカ風”が全編に散りばめられた、ギャングと警察と陰謀と、コミックとピストルとコラージュによるハリウッドへの憧憬&アイロニーに満ちた傑作。共演はジャン=ピエール・レオー。90分。


【カ 一部モノクロ作品有】