〈1203〉『カラビニエ』LATE ROAD SHOW
●カラビニエ Les Carabiniers いつでもどこでもないお話…カラビニエ(王の使者)が、王様の手紙をユリシーズとミケランジェロ兄弟のもとへ届けた。戦争?徴兵?それって、良いこと?いけないこと?ためらう二人をよそに、世界中の宝が手に入るという言葉にのせられた母クレオパトラと妹ヴィーナス(エマニュエル・ベアールの母、ジュヌヴィエーブ・ガレア)は嬉々として、兄弟を戦争へと送り出す……かくしてゲームは始まった。
『はなればなれに』の前年、『軽蔑』の撮影準備中の1963年、ジャン=リュック・ゴダールが酷寒のパリ郊外で、シュールな寓話を撮り上げた。ゴダールならではの勢いで、世界中の宝である戦利品がぶちまかれ、モンティ・パイソンにいち早く「戦争ごっこ」がラウル・クタールのぶっ飛んだ高感度フィルム撮影でスケッチされてゆく。インチキな信念とトンチキな戦法の「戦争」を急襲したゲリラ、ゴダールのキッチュで痛快な傑作だぞ!80分。
監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
撮影 ラウル・クタール
脚本 ロベルト・ロッセリーニ ジャン・グリフォー
出演 アルベール・ジュロス、マリーノ・マゼ ほか
1963年 80分
【モノクロ】