〈1205〉『ベトナムから遠く離れて』ほか連続上映


●ベトナムから遠く離れて Loin du Vietnam J=L・ゴダール、アラン・レネ・アニェス・ヴァルダ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンスそしてクロード・ルルーシュまでもが集まり、アメリカによる侵略と闘うベトナム人民への連帯のメッセージとして作られたドキュメンタリー作品。匿名性の高い11章オムニバス形式の作品だが、ゴダールの章はすぐわかる。総編集は『サン・ソレイユ』のクリス・マルケル。熱のこもった117分。
●東風 Le Vent d'est 『男性・女性』('66)以降、急速に政治的傾向を強めることになるゴダール。更に「五月革命」後それに実験色の強い映像=音声が加わり全く風変りな作品を連発する。その中の一本がこの『東風』。ゴダール作品としてではなくジガ・ヴェルトフ集団(J=P・ゴランらと共に)として作られたこの作品は、一見、西部劇の様相を示すが、その中味はゴダール流アンチハリウッド映像・音声の嵐。J・M・ボロンテ主演。気合のいる95分。
●北緯17度 17eme Parallele〜La Guerre du Peuple 『ベトナムから〜』の撮影後イヴェンスはベトナム人スタッフらと共に南北ベトナムの境界線に近い北ベトナムの村で人々の日常生活を記録した。米軍の爆撃が強まる中、村人たちは、それを生活に利用している。例えば、爆撃で出来た大きな穴を魚の養殖池に、爆撃の破片を自転車の部品にと。「皆ジョンソンからの贈りもの」皮肉たっぷりに村人は語る。侵略者には絶対負けない113分。


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