〈1226〉『UFO少年アブドラジャン』MORNING ROAD SHOW
●UFO少年アブドラジャン 旧ソ連製の、またまたキュートなSF映画が飛来…といっても本作は、S・スピルバーグへの尊敬と挑戦をかけてローテク映画のアイデアを涙ぐましいまでに満載した志の高い野心作であり、登場人物たちのめったにない愛らしさが、豊かなファンタジーに昇華した秀作だ。'94年東京での中央アジア映画祭では随一の人気を集めている。
人も動物もノビノビと暮らすウズベキスタンのとある集団農場でモスクワ当局の報告が発表された村会議の夜、街はずれに変形アダムスキー鍋型宇宙船が不時着し、金髪の少年が残された。たまたま脱出した牛を追いかけて接触したバルバザイは、この「完全生命体」少年をアブドラジャンと名付け、密かに世話をする。少年は隠し子扱いされながらも村人に受け入れられるが、やがてこのド田舎にソ連中が注目するような怪現象が次々と始まる…。中央アジアの「ドリーム・ワークス」を予感させる本作、『ストーカー』にヤられた頭にも効き目あり!88分。
監督 ズリフィーカル・ムサコフ
出演 ラジャブ・アダシェフ、トゥイチ・アリボフ、トゥチ・ユスポワ、シュフラト・カユモフ ほか
1992年 88分
【カラー】