〈1227〉『プラットホーム』ROAD SHOW
●プラットホーム 站台 スリ稼業を続ける青年を、ヴィヴィッドに切りとった現代中国の風景の中に描き出した『一瞬の夢』。この1作で一躍国際的な注目を浴びたジャ・ジャンクー(賈樟柯)の長編第2作の登場だ。オフィス北野ほかの出資を得た本作は、一挙にスケールを拡げ、80年代中国の大きな時代の変遷を、さながら『旅芸人の記録』のように描き出す。
中国の小さな町・。文化劇団のメンバーである明亮と幼なじみ3人は、練習、巡業の旅と、いつも一緒の時間を過ごしていた。80年代半ば、自由化の波がこの町にも押しよせてくる。政府からの補助金が打ち切られ、劇団のあり方も変わった。ロックバンドを結成し旅を続ける者、町に残り職に就く者、それぞれが自分の生き方を探し始め、心ならずも別れ別れになる。そして、また時が流れ……。
「“歴史”ではなく“気配”で描きたかった」と監督が語る通り、若者を魅了するファッション、音楽が絶妙に時代をつづる。圧巻の151分。
監督・脚本 ジャ・ジャンクー
撮影 ユー・リクウァイ
録音 チャン・ヤン
編集 コン・ジンレイ
音楽 半野喜弘
出演 ワン・ホンウェイ、チャオ・タオ、リャン・チントン、ヤン・ティエンイー ほか
2000年 151分
【カラー】