〈1230〉『カンダハール』ROAD SHOW


●カンダハール Kandahar 昨年の9月11日以来、世界から俄然注目されるようになったアフガニスタン。植民地戦争の長い歴史、ソ連侵攻から長く続いた内戦と、蹂躙されつづけたその国がおかれた状況に、いち早く注目し、激しく憤りつつカメラを向けたのが、イランの若き巨匠モフセン・マフマルバフ監督。カナダに亡命した、アフガニスタン人女性ジャーナリストが、生き別れた妹から、手紙を受け取った。タリバーン圧政下のアフガンに絶望し、次の満月の日に死を選ぶとしたためられたその手紙は、難民の手から手へと長い時間をかけて手渡されて、ようやく届いたものだった。幼い日に、家族そろって亡命する途中で病に倒れ、故郷カンダハールに残った妹を、絶望の淵から救おうとする女性ジャーナリストの目を通して、アフガニスタンの過酷な現実が描かれる。「国際社会に見捨てられた国」アフガニスタンの生々しい現実をもとに、ストーリーは構成されている。旅する彼女が出会う、アメリカ人医師(ブラックムスリムで実際に聖戦に参加したとして報道されている)や、戦争しか知らない子供たち、地雷の被害で手や足を失った人たち、そして、飢餓にあえぐ難民キャンプの人たちの姿を直視するカメラの視線は、マフマルバフの確固たる姿勢を感じさせる。ヨーロッパでは公開されるやいなや注目を集め、大ヒット上映中。復興への歩みが着実に進むことを祈りつつ、歴史の過程をかいま見ることの出来る85分。

監督・脚本・編集 モフセン・マフマルバフ
撮影 エブラヒム・ガフーリ
録音 ベルーズ・シャハマト、カーウェ・モインファール
音楽 モハマド・レザ・ダルビシ
出演 ニルファー・パズィラ、ハッサン・タンタイ、サドュー・ティモリー、ハヤトラ・ハキミ ほか

2001年 85分


【カラー】