〈1234〉『ABCアフリカ』ROAD SHOW


●ABCアフリカ ABC Africa 『友だちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』『桜桃の味』『風が吹くまま』…シンプルにして豊饒な映像で、生と死へ向けられた深い思素を展開してきた名匠アッバス・キアロスタミ。その最新作は、祖国イランを離れ、アフリカ東部の内陸国ウガンダで撮影されたドキュメンタリーだ。  2000年夏、キアロスタミは、アシスタントとともにウガンダの首都カンパラの地に降り立った。「ウカンダ孤児救済のための女性運動(UWESO)」の活動と、160万ものエイズ孤児や内戦で親を亡くした子供たちの実態をカメラに収めるためだ。撮影隊はたったふたり。カメラはデジタルビデオ。彼らは10日間の間に、孤児や母子感染した子供たちや、そんな悲劇の中でも力強く生きる人々と出会う。くったくのない笑顔と、悲しみをたたえた表情、あふれる音楽と夜の静けさ、そしてまばゆい光と漆黒の闇。滞在の中で巡り会った人と風景を、大切に慈しむように1本の作品に練り上げて、生の輝きと希望をうたい上げた、キアロスタミならではの旅の記録だ。上映フォーマットは35ミリフィルム。画質・音質ともに素晴らしい。84分。

監督 アッバス・キアロスタミ
撮影 セイフォラ・サマディアン

2001年 84分


【カラー】