〈1237〉『夜風の匂い』ROAD SHOW


●夜風の匂い Le Vent de la Nuit すでに中年の坂を下ろうとしている美貌の人妻エレーヌ(C・ドヌーヴ)。彼女は20歳も年下の恋人、自称彫刻家ポールとの不倫関係を続けている。しかしポールは、彼女のややエキセントリックな愛を少し重荷に感じ始めてもいる。師の作品展示のためにイタリアに赴いたポールは、翳のある建築家セルジュと出会う。好奇心に駆られたポールは、無口なセルジュに様々な質問をぶつける。それは、激化した学生運動を駆けぬけて、心身ともに深い傷を負ったセルジュの心の闇に踏みこむ旅となった。その深い闇は、エレーヌをも巻き込んでいく。10代でゴダールに注目され、「恐るべき子供」と呼ばれた、鬼才フィリップ・ガレル。アンディ・ウォーホルの「ファクトリー」での活動、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫ニコとの壮絶な愛の記録でも知られる彼が、妖艶なドヌーヴを主演に迎え、愛の誕生から喪失まで、凝縮したタッチで仕上げた、濃密なラヴストーリー。漆黒の夜に浮かぶ朱のコートや、闇を切り裂いて走り抜けるポルシェの色彩が冴え渡る、カロリーヌ・シャンプティエの見事な撮影が、物語に崇高な美しさを加えています。

監督 フィリップ・ガレル
撮影 カロリーヌ・シャンプティエ
編集 ルネ・レヴェール
録音 フランソワーズ・コラン
音楽 ジョン・ケイル
出演 カトリーヌ・ドヌーブ、ダニエル・デュバル、グザヴィエ・ポヴォワ ほか

1999年 95分


【カラー】