〈1239〉「ディープ、クレイジー映画」LATE SHOW
○ディープ、クレイジー すべては『鬼畜大宴会』から始まった。あの過激かつ叙情的なセンスに溢れた作品を観て(好き嫌いは別として)熊切和嘉監督の才能に驚き、あの作品を送り出した大阪芸術大学とは と、興味を持った人は少なくないはず。というわけで彼と同年代の監督特集。大阪芸大スペシャルです。
●悲しくなるほど不実な夜空に スカトロビデオに出演し家族を養う姉(葉月蛍)、失業中の父親、だらだらと日々を過ごす弟の3人家族の関係を、宇治田隆史監督が乾いた視点で描くホームドラマ。音楽は『鬼畜・・・』『空の穴』の赤犬&松本章が担当。63分。
●NN−891102 原爆の爆音を、長崎で偶然に録音した少年が、その爆音を再現しようと執念を燃やすうち、現実とも幻想とも、あるいは幻聴とも幻視とも知れない世界へと踏み込む。サイレント映画の技術を駆使して柴田剛監督が描く異色作。75分。
●東京ハレンチ天国 さよならのブルース 憧れの「殺し屋」になったが、死体の始末に困った黒川(『どんてん生活』の山本浩司が好演)は、売れないGSバンドドンキーズと知り合う。ようやく居心地の良い毎日を見つけた黒川だが・・・。無国籍映画の香り漂う雰囲気を、本田隆一監督がケレン味たっぷりに演出。80分。
●プウテンノツキ “プウ”の八太、テツロー、八太の恋人ミサキ。楽しくも混沌とした彼らの毎日。漠然とした将来の夢のイメージは空(テン)のようで、空には白い満月がいつもかかるが、日々のうつろいとともに彼らの関係にも微妙な変化が訪れる。気負いなく「青春映画」を演出した元木隆史監督の世界に浸る71分。
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