〈1241〉『花子』MORNING ROAD SHOW


●花子 京都府の南端、大山崎町に暮らす今村花子(撮影当時22才)は、知的障害者のためのデイセンターに通う毎日を送る一方、夕食の残り物を素材に“たべものアート”を作るアーティストとして知る人ぞ知る存在だ。このユニークなアートを発見し、写真に撮りつづけてきた母、汚いから本当はやめてほしいと言いながら作品作りに根気よくつきあう父、花子から強烈に排除された過去を淡々とふり返り語る姉。この4人家族の日常を『阿賀に生きる』『まひるのほし』『SELF AND OTHERS』の佐藤真が、丁寧に切りとってゆく。元気よく歩き、傍若無人に大好きなショートケーキへ突進し、力強く絵を描く花子の躍動を、そのまま受けとめ愛していく、大らかで懐の深い家族の在り様が、静かに見る側にせまってくる秀作だ。主題歌は忌野清志郎の歌う「ひとりの女性に」(ラフィータフィー)。60分。

監督 佐藤真
撮影 大津幸四郎
録音 弦巻裕
編集 秦岳志

2001年 60分


【カラー】