〈1251〉『うつくしい人生』ROAD SHOW


●うつくしい人生 C'est Quoi la Vie? 地味だし、あまり話題にはならなかったけど、でもコレ凄くいい映画なんです。見始めたときは、約2時間だし、フランスの田舎の話だし、退屈なのでは……と勝手に思っていたのですが、美しい、本当に初めて見るような美しい自然の風景の中で、今、この時代をリアルに呼吸している青年が、自分の生き方を真摯に選択していくストーリーにグイグイひきこまれました。おすすめです  舞台は南フランス。牧畜を営む一家の息子ニコラ(エリック・カラヴァカ)は、都会への漠然とした憧れを抱きながら、淡々と過ぎゆく日々に身を任せている。しかし、狂牛病の惨禍を被り破産に追いこまれた一家を一人で背負うことになり、家族、生活、労働など人生の難題と一挙に直面する。徹夜明けの朝、一度だけ出会った美しい女性マリア(『永遠と一日』のイザベル・ルノー)に恋をするが、居所のわからない彼女を探す暇も無い。馴れ親しんだものが崩れていくと、平凡に生きることさえ大変なのだ。そんな彼が祖父(『地下鉄のザジ』のジャック・デュフィロ)の言葉をきっかけにある決意を抱く…。  『夜のめぐり逢い』で監督デビューしたフランソワ・デュペイロンの心のこもった演出と、テツオ・ナガタの撮影に拍手。115分。

監督・脚本 フランソワ・デュペイロン
撮影 テツオ・ナガタ
美術 パトリック・デュラン
音楽 ミシェル・ポルタル、ブライアン・ヤマコシ
出演 エリック・カラヴァカ、イザベル・ルノー、ジャック・ディフィロ ほか

1999年 115分


【カラー】