〈1277〉『ブレッド&ローズ』公開記念 ケン・ローチ傑作選


●ブレッド&ローズ Bread & Rose 世界中の映画人から尊敬される映画監督ケン・ローチ。弱者の生活にまなざしを向け、社会問題にテーマを見出してきたローチが、初めてアメリカで製作した『ブレッド&ローズ』。メキシコからの移民問題と、劣悪な労働条件にあえぐビル清掃員たちの間から実際に起きた労働運動をベースに、骨太な映画を作り上げた。ある夜、マヤは故郷メキシコの国境を越え、L.A.に住む姉ローサの家に身を寄せる。ローサと同じビル清掃の仕事を始めた彼女は、ある日、労働組合活動家サムと運命的に出会い、活動に傾倒していく。闘争の輪は次第に大きく広がって行くが、やがて貧しくも平穏な生活を望む姉との間に亀裂が生じ始め、ついにローサはマヤに衝撃的な事実を告白する。そして、闘争は雇用者との最後の対決への最終局面を迎えるのだが…。110分。
●ナビゲーター ある鉄道員の物語 The Navigators 1993年の英国鉄道民営化によって始まったリストラ、賃金カット、企業間のやみくもな競争が、作業の質の低下を招く。そして、かつて最高の仲間だった鉄道員たちの連帯は崩壊する……。鉄道員の経験をもち昨年急逝したロブ・ドーバーの脚本に敬意をこめて、保線夫たちの気骨とユーモアと挫折を、ケン・ローチならではの粘り強く鮮烈な視線で映画化した、最新作にして心を揺さぶる傑作。96分。
●ケス Kes ローチの初期傑作がニュープリントでよみがえった!小型の隼ケスを飼うことで成長する炭鉱町の少年と周囲の社会・風俗への痛烈な批判を冴々と描き出す。112分。


【カラー】