〈1282〉『ベルリン・アレクサンダー広場』〈全14話〉


○R・W・ファスビンダー(1945〜82) 40本以上の監督作は、性的抑圧、差別、テロ、ナチズムなどドイツ国内に論議を呼ぶスキャンダラスな作風でありながら、『マリア・ブラウンの結婚』『リリー・マルレーン』などで、ヴェンダースやヘルツォークの先陣をきってニュー・ジャーマン・シネマを世界に知らしめた。
●ベルリン・アレクサンダー広場 Berlin Alexanderplatz '29年に発表されたアルフレート・デーブリンの小説(同時代にはピール・ユツィが映画化)を50年後にTV作品として映像化(ファスビンダーは思春期に愛読した)。ナチズム、共産主義が対峙し、頽廃芸術とされたダダイズムが開花した20年代の大都会ベルリンで、口論から妻を殺し4年の刑を終えたフランツ・ビーバーコップ(ギュンター・ランプレヒト)の新たな人生を巡ってゆく。移動撮影の活力ある屋外シーンと、陰影に富んだ室内撮影のコラージュのファスビンダー的調和や、ハンナ・シグラ、ゴットフリート・ヨーンの名演にひたる驚異の体験14時間56分!


【カラー】