〈1287〉第16回自主製作映画フェスティバル


○年末の恒例企画自主FES。例年以上に多種多様な作品がそろいました。個性的な作家の競演をお楽しみください。
Aプロ 昨年、群馬県高崎市で行われた国民文化祭のためにつくられた短編です。黒沢清監督と青山真治監督という、現在の日本映画を代表する豪華な顔合わせとなりました。いずれも上映機会が非常に少ないものです。お見逃しなく。2作品で66分。
Bプロ 大阪の孤高のミニシアター、PLANET Studyo+1が企画した「シネトライブ 十戒映画」。関西一円のインディーズ作家を中心に催された大規模なイベント上映からの傑作選です。前年度のイベントに参加した作家がその場でくじ)を引き、そこで指定されたキーワードにそって作られたのが「十戒映画」です。今年5月に当館で特集上映した、大阪芸大出身の監督作品や地元名古屋の鎌田ダイシ監督、そしてDプロで長編上映の村上賢司監督、と、シリアスからパロディまでボリュームたっぷり、(作品によっては)あまりにもくだらなすぎてもはや笑うしかないという、抱腹絶倒の3時間12分。もちろん途中休憩はアリ、です。
Cプロ 毎年ご紹介してきた映画美学校の制作作品。今年はドキュメンタリーコースからのセレクションです。ふつうの家は部落差別問題を、GO! GO! fanta-Gは教科書問題を、あおぞらは、ある幼稚園を通して教育問題を、と、それぞれ大きなテーマに挑んでいますが、いずれも作家自身の問題意識が明確で、紋切り型の結論に陥らない秀作です。3作品で121分。
Dプロ イメージフォーラム・フェスティバルに代表される個人映画のありようは、デジタルビデオ登場以降、大きく変わってきました。その変化を見て取れる2作品です。袴田浩之監督は、以前当館の「何でも持って来い」に出品したこともある、浜松で活動を続ける作家です。最新長編となる壊滅の上映です。群馬の村上賢司監督の夏に生まれるは、テレクラに通う作者自身の姿をコミカルに描きながらも、フィルムとビデオの違いを巧みに意識する批評性の高さがうかがえます。イメージフォーラム・フェスティバル'99他受賞多数。2作品で136分。

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