〈1293〉『スイート・シクスティーン』ROAD SHOW
●スイート・シクスティーン Sweet Sixteen すべてのイギリス映画人に影響を与えたといわれる傑作『ケス』。その後の作品も世界的に高い評価を得ているケン・ローチ監督。近年も、『ブレッド&ローズ』『ナビゲーター』と、矢継ぎ早に傑作をモノにしているが、最新作『スイート・シクスティーン』は、そのすべてを上回り、新しい境地へと至った傑作、との評判も上々だ。
スコットランドの田舎町。15歳の少年リアムに、父親はおらず、母は刑務所。姉は未婚の母となり家を出た。施設での友人、ピンボールだけが心を許せる相手だ。チンピラ同然の無軌道な彼らだが、実は家族の愛情を渇望してもいる。リアムが偶然見つけた湖畔の家こそ、家族の希望の場所と思えた。しかし、手に入れるための資金はない。母親の出所を目前に金を工面しようとするリアムは、代償として悪事に手を染めていく…。ビター・スイートな青春が、痛々しいほどリアルにえぐりとられていく106分。
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァティ
撮影 バリー・エイクロイド
音楽 ジョージ・フェントン
出演 マーティ・コムストン、ミシェル・クルター、アンマリー・フルトン、ウィリアム・ルアン
2002年 106分
【カラー】