〈1306〉『スキン・フリック』『ヨハンのはじめての夏』LATE ROAD SHOW
●スキン・フリック Skin Flick 『スーパー81/2』『ハスラー・ホワイト』で観客を笑いと興奮と当惑に陥れ、ケネス・アンガーはたまた裏町のマシュー・バーニーと例うべき作家魂はゲイ・フィルムに留まらぬ、アンダーグラウンド・シネマの突破者ブルース・ラ・ブルースの新作。今作はロンドン中でひんしゅくを買うネオナチ青年たち(全員ゲイ!)の迷惑な生態をスケッチする。ヒトラーの肖像画でオナニー、公園でカツアゲ、市場で万引、〈人間便器〉と自称する者あり…共生(?)するスノッブでリベラルなロンドンのゲイたちの苦労がしのばれる。でもそんなネオナチさえも逃げ出すのが、「…アメリカ女なのよ!」と監督の悲鳴さえ聞こえそうな、ざらつく8mmモノクロームと鮮明なカラー映像のミックス、意味深なサントラ、写真家テリー・リチャードソンの出演と、狂いかつ冴えまくる70分。危険なブルース・フィルムと一転して、ヨハンのはじめての夏(Summer,the First Time)は、欧米のゲイ・シーンが大絶賛のイノセントな美少年モノ。90分。
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【カラー】