〈1307〉『チベットの女 イシの生涯』ROAD SHOW


●チベットの女 イシの生涯 Song of Tibet 1950年秋チベットの小さな村。可憐な歌声を持つイシは3人の男と出会っていく。ツァンヤンギャツォ(17世紀に早逝したダライ・ラマ6世)の詩集をくれた初恋の人、親の借金のため無理に嫁がされた荘園の領主、そして掠奪同然に結ばれたならず者の行商人。チベット現代史50年にわたる時代の波に翻弄されながら、愛を探し求めたイシが最後にたどりついたのは……。
 監督のシエ・フェイ(謝飛)は、『香魂女―湖に生きる』で93年ベルリン映画祭金熊賞、『草原の愛─モンゴリアン・テール』で95年モントリオール映画祭監督賞を受賞した中国映画界の巨匠。91年にチベットで記録映画を撮影して以来、その美しい自然と人々、独特の宗教観に魅せられた彼は、チベットのありのままの姿を描きたいとの思いから、オールチベットロケ、チベット人キャスト・スタッフで全編チベット語の本作を完成させた。チベット仏教の聖地など壮麗な景観が美しく映し出される中に、チベットへの敬意と共感があふれ、この映画作りに賭けた監督の情熱を伝えている。105分。

監督・脚本 シエ・フェイ
撮影 フー・チンション
原作・脚本 ザシダワ
出演 テンジン・ドカー、オンドゥ、ラクチュン

2000年 105分


【カラー】