〈1310〉『グレースと公爵』ROAD SHOW


●グレースと公爵 L'Anglaise & Le Duc ごく平凡な人々が魔法をかけられたように繊細でニューロティックな出来事にからめとられ、小さな秘密、ささいな嘘や嫉妬が生まれる…偶然が運ぶ顛末でいつも新鮮な驚きをもたらし、誰かの体験に思いあたるように楽しいエリック・ロメール監督(1920年生まれ!)の新作公開です。
 古い恋愛関係を今は友情に育てた、ルイ16世の従兄弟で進歩的な共和主義者のオルレアン公爵(ジャン=クロード・ドレフュス)と、熱烈な王政支持者である高貴な英国人グレース・エリオット(ルーシー・ラッセル)が、フランス革命期の恐怖政治の悲劇をめぐってゆく数奇な実話。というと80年代以降のロメールの作品の手触りを失うようですが、ご心配なし。数々の旧作品が自然光と風の奇跡に恵まれたように、絵画セットのCG処理が装飾的で人工的なルイ王朝時代を見事に再現しますグレースの大胆な行動が、図らずも「ベルばら」(コミック版)に迫る大河ロマンへと誘います!! 理知と感情を操るグレースvs幾度困惑させられても彼女の率直さを支え続ける公爵。この絶妙な関係を愛で紡ぐ、企業秘密?のロメール・タッチは更に、 圧巻です!!! 129分。

監督 エリック・ロメール
撮影 ディアーヌ・バラティエ
録音 パスカル・リヴィエ
編集 マリー・スティーブン
絵画制作 ジャン=パティスト・マロ
出演 ルーシー・ラッセル、ジャン=クロード・ドレフェス

2001年 129分


【カラー】