蒸発旅日記 現実と幻想が妖しく溶けあう奇妙な時間。昭和歌謡が聞こえそうな路地裏。時代の波に乗りきれず漂っている主人公。見知らぬ場所で時を超越して生棲する謎めいた登場人物…。 過去には竹中直人や石井輝男が試みた、つげ義春の映画化作品の決定版!が登場。本作はつげの人気エッセイ「貧困旅日記」の一編をベースに、漫画作品「必殺するめ固め」「初茸がり」などのエピソードを加えてシナリオ化された。監督山田勇男は演劇実験室天井桟敷で寺山修司の『草迷宮』『さらば箱舟』の美術や衣装デザインを担当。8mm映画でPFFに入選し、初劇場公開作『アンモナイトのささやきを聞いた』('92年)はカンヌへ招待出品された。現在も星くずのような8mm小型映画制作に没頭しながら、20年ぶりの公開作は、鈴木清順の絢爛たる世界を担う美術監督木村威夫を迎え、山田の結晶を通す光線のようなタッチとのコントラストで、つげ作品のエロスと朴訥さが変幻するイメージを創造した。ありったけの金と時刻表だけをもって列車に乗った作家・津部(銀座吟八)は、会ったこともないファン(:命名は荒木経惟)のもとへ旅立つ。彼女と結婚さえすれば、今とは違う生活が得られるかもしれない……。共演、田村高廣、清水ひとみ、夕沈(少年王者舘)。85分。 |
2003 8/16(土) 〜8/29(金)
当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督・脚本 山田勇男
脚本 北里宇一郎
原作 つげ義春
美術 木村威夫
撮影 白尾一博
照明 宮下昇
出演 銀座吟八、秋桜子、清水ひとみ、夕沈、田村高廣
2003年 85分