母の愛に恵まれずスタートした人生だけど、批評家アンドレ・バザン夫妻の家族のような庇護の下、先鋭的な映画批評と、J・コクトーのみならず今も世界中から愛される鮮烈な長編監督デヴュー作で映画史にヌーヴェル・ヴァーグの出現を刻んだ。ロメール、リヴェットらと影響を与え合い、最強の盟友ゴダールとの愛憎関係、スタッフや俳優との永い友情があった。映画を駆けぬけ、その登場人物のように突然、姿を消した人、フランソワ・トリュフォー(1930〜84)。楽しく感動的な傑作選14作品を公開。 大人は判ってくれない(Les quatre cents coups 100分)は両親や学校から見放された12歳のアントワーヌ・ドワネル(ジャン=ピエール・レオー)の孤独と渇望を瑞々しい映像で綴った長編第一作。カンヌ映画祭監督大賞受賞。自伝的なシリーズ、ドワネルものは、これ以後もレオーを主演に二十歳の恋(L'amour vingt ans /Antoine et Colette 31分。『ピアニスト…』と併映)、「まるで昨日撮られたかの様に…(カヒミ・カリィ)」新鮮なパリをめぐる夜霧の恋人たち(Baisers vol駸 92分、併映あこがれ 18分)、家庭(Domicile conjugal 98分)、逃げ去る恋(L'amour en fuite 96分)へと続く。初期の傑作三作は、ドルリューの音楽、主演アズナブールの魅力、孤独な男を包む愛、斬新なロケ撮影、全てが洒落て心うつピアニストを撃て(Tirez sur le pianiste 82分)。不変の関係を描いた恋愛映画の最高峰、ジャンヌ・モローが圧倒的な、突然炎のごとく(Jules et Jim 107分)、中年男の無邪気な浮気をサスペンスとモード感の織りなすタッチで追った柔らかい肌(La peau douce 118分)。必見。 70年代、ゴダールと離反したトリュフォーは、若い女性の感性を追った。恋のエチュード(Les deux anglaises et le continent 130分)は英仏の男女の三角関係を静寂さの中で過激に追い詰め、セクハラ・コメディ私のように美しい娘(Une belle fille comme moi 98分)で悪〜い女の娘を大暴走させる。 80年代は大人の恋の物語。ドイツ占領下のパリの演劇人を描きセザール賞10部門受賞。C・ドヌーヴ主演終電車(Le dernier m騁ro 132分)。晩年の傑作、究極の情熱、隣の女(La femme d' ct 107分)、初期のタッチを思わせるスタイリッシュなロマンチック・コメディ日曜日が待ち遠しい!(Vivement dimanche 111分)。 |
2003 8/30(土)〜9/19(金)
当日券(1作品) 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券(1作品) 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 前売券(5作品) 一 般 6000円 大学生 6000円 会 員 5500円 前売券(10作品) 一 般 12000円 大学生 12000円 会 員 11000円 ※前売券販売は公開前日までです。 |