●キャパ イン・ラヴ・アンド・ウォー Robert Capa in Love and War すぐれた人、普通の人、悪い人、そのいずれでもありいずれでもない人……映画に登場する人物像でとりわけ心うつのは、躊躇なく生きた者ではないだろうか。戦争の世紀と呼ばれる20世紀の報道カメラマンで、最も尊敬され愛されたロバート・キャパ(1913〜1954)のように。その生涯の断片を、ドキュメンタリー作家アン・メークピースが(彼女の姓名にぴったりの)繊細なタッチで記録した。 スピルバーグが『プライベート・ライアン』で究極の映像美と凄惨な現実感を再現したノルマンディー上陸シーンはキャパの写真から構想した逸話や、恋人のイングリッド・バーグマンを傷つけたキャパの複雑な性格を、かの名作のプロットに使ったヒッチコック、またアンリ=カルティエ・ブレッソン、ヘミングウェイ、ピカソ、スタインベックとの関係の眩さのみならず、ハンガリーからパリ時代までの仲間、報道写真家の職業的地位を確立した「マグナム」の同志、被写体となった無名の人々から取材した珠玉のコメントは、キャパの、暖かくてタフで野心的で孤独で、母親を含め多くの女性をとりこにし困惑させたノマドの一面をも捉えている。時代を証言する静止した写真の力強さは今も圧倒的だ。フィクションドラマを遥かに上回る面白さと感動を保証します。傑作です。86分。 |
2003 11/22(土) 〜12/5(金)
当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督/脚本 アン・メークピース
撮影 ナンシー・シュライバー
音楽 ジョエル・グッドマン
編集 スーザン・ファンシェル
2002年 90分