○人形アニメーションの王国チェコにあって、イジー・トルンカ、H・ティールロヴァーとともにその先駆者的役割を果たした名匠カレル・ゼマン(1910〜89)。幼い頃ジュール・ヴェルヌの冒険小説に親しんだ彼は、その精神を自作の映画においても育みつづけ、実写と人形アニメーションを組み合わせた数々のファンタジックな傑作を生み出した。 デビュー作は『クリスマスの夢』(7分)。詩的なセンスがカンヌ映画祭で高く評価され、ガラス人形を使った夢のような名品『水玉の幻想』(11分)で、さらなる注目を集める。つづいて長編の制作にとりかかり、ボートに乗った少年たちが時間の川を逆上り古代を冒険するSF『前世紀探検』(93分)、ヴェルヌの原作を映画化した奇想天外な大傑作『盗まれた飛行船』(81分)『彗星に乗って』(74分)などで本領発揮。その後は、切り紙アニメーション『クラバート』(76分)、『ホンジークとマジェンカ』(68分)を発表。衰えを知らぬ清新なポエジーと豊かなイマジネーションを見せた。 |
2003 12/24〜30
1/2〜5
1/6〜9
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