●アンテナ 雨の夜に消えた妹真利江の行方がわか
らないまま、長い年月が過ぎた。その夜、隣で眠っていた祐一郎(加瀬亮)は
、すでに大学生。なぜ気付かなかったのかと母親(麻丘めぐみ)になじられ、
心の傷を引きずってきた。彼が16歳の時に父は他界。小学生の弟の心は、混乱
した家庭の有り様を鏡のように映している。実家から距離を置くことで、何と
か心の安定を保つ祐一郎。そんなある日、真利江を連想させるような、長い期
間監禁されていた少女が出雲で発見され、家族の関係がまたきしみ始める。そ
れは、祐一郎にトラウマとの決着を迫ることを意味していた。 ベストセラー作家田口ランディの原作を、『鬼畜大宴会』でのデビュー以来 、優れた演出力を発揮し続ける熊切和嘉が映画化。自傷行為、SM、家族の崩 壊 など、極めて現代的な要素をモチーフとした原作を生かし、雰囲気に流され ることなくリアリティのある物語に仕上げている。すべてを見下ろすようにそ びえる高圧鉄塔(=アンテナ)が、不気味な存在感で印象に残る。117分。 |
2004 4/3(土) 〜4/9(金)
当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 |
監督・脚本 熊切一嘉
脚本 宇治田隆史
原作 田口ランディ
撮影 柴主高秀
照明 蒔苗友一郎
録音 岩倉雅之
美術 磯見俊裕
音楽 赤犬、松本章
編集 普嶋信一
出演 加瀬亮、小林明実、木崎大輔、大森博、小市慢太郎、宇崎竜童
2003年 117分