●味 東京のとある小さな中国料理店。民家と見紛
うそこで鍋を振り、中国料理発祥の地である黄河の河口、山東省由来の珍味を
限られた数の客に饗する老夫婦…まるで夢か、谷崎潤一郎の「美食倶楽部」
にでも記されそうなレストラン「
済南賓館」。都市の秘密めいたこの店
にカメラが入り、二人で150歳の夫婦の感動的な、過去と現在の料理に賭けた人
生が語られてゆく。佐藤孟江さんは日中戦争中、山東省で習得した、砂糖・ラー
ド・化学調味料は一切使わない秘伝の山東魯菜
料理で「正宗魯菜人」に認定される唯一の日本女性。夫の浩六さんと
1969年東京で開業。体力の限界から店の存続に悩む現在、文革中に
ブルジョア的と糾弾され今は消滅寸前の山東料理を中国で伝授したい
という孟江さんのもう一つの夢がふいに実現する。家族の危惧のなか、急激な
経済期を迎えた大陸への挑戦が始まった。気力、愛情深
さ、つつましさが、見
るものを圧倒するドキュメンタリー
。よい匂いのする映画でもあります。監督は来
日14年のディレクター、リー・イン[李纓]。
134分。 |
2004
一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督 リー・イン[李纓]
撮影 堀田泰寛
2003年 134分