リアリズムの宿
 ●リアリズムの宿 顔見知り程度の相手と旅行に来てしまったふたり。駆け出しの脚本家、坪井小助と、同じく駆け出しの映画監督、木下俊弘だ。共通の知人は現われず、仕方なく道中をともにするのだが、寒々とした風景が身にしみて…。素性の知れない女の子に付き合う羽目になったり、泊まる宿はことごとくハズレだったりと、いきあたりばったりなふたりのオフビート・コメディ。
 つげ義春の「リアリズムの宿」と「会津の釣り宿」をもとに、孤高の漫画家の世界を尊重しつつ、独自の境地を開いたのは山下敦弘監督。『どんてん生活』、『ばかのハコ船』と、限りなく情けない主人公を、限りなく魅力的に描くという稀有な才能を発揮し、海外ではカウリスマキの作風と重ねて評価されている。盟友向井康介との共同脚本は、「つげ義春的世界」に「山下敦弘的人物」を 放り込むという大胆な発想を具体化。坪井には、主宰する阿佐ヶ谷スパイダースで、多彩な能力を発揮する若き演劇人、長塚圭史、そして、木下には、山下作品には不可欠の存在、山本浩司が扮する。くるり初の映画音楽(『ジョゼ…』よりも先行)は、あたたかさとせつなさに溢れ、作品世界の奥行きを広げている。83分。

2004
6/19〜6/25
12:30
2:05
3:40
5:15
6:50
6/26〜7/2
2:05
3:40
5:15

当日券
一 般 1700円
大学生 1500円
シニア 1000円
中高予 1200円
会 員 1300円

前売券
一 般 1400円
大学生 1400円
会 員 1200円


※前売券販売は公開前日までです。
オフィシャルサイト

監督 山下敦弘
原作 つげ義春
脚本 向井康介
音楽 くるり
出演 長塚圭史、山本浩司、尾野真千子 ほか
2003年 83分