バーバー吉野
 ●バーバー吉野 近所のおじさんたちの政治談議や噂話のなか、ふと訪れる静寂に軽やかなハサミの響き。そこは日常をちょっとだけ変える小さな社交場。赤白青の回転看板から漂う「衛生」概念すらもどこか懐かしい町の床屋さん〈バーバー吉野〉。吉野のおばちゃん(もたいまさこ)は、口は悪いけど親切で、ぴかぴかに磨いたガラス戸越しに今日も町を見守っている。山々の稜線が満開の桜の花でかすむ頃、少年たち(米田良ほか)は、100年続く通称〈吉野ガリ〉の頭髪も青々と、町の神様に美しいボーイ・ソプラノの合唱を捧げる。この伝統行事は、橋のたもとで子供たちをおどかす変なおじさん(森下能幸)や、秘密基地のエロ本と同じく少年たちに根づいていた。スキだらけだけど温ったかいこの町に、転校生・坂上君(石田法嗣)がやってきた。坂上君はカッコイイ。スニーカーもバッグも、なんか違う。髪形だってまったく違う。たちまち女子のハートを鷲づかみだ…。
 UCLAで学び、PFF2001に入選・音楽賞受賞した新鋭、荻上直子(1972年生)のスカラシップ作品。もたい、桜井センリらの俳優陣や達者な演技で笑わせる子役たちを迎え、自由を縛る規則へのさわやかな反乱を、独特に洗練されたムードの内に問うた秀作。先行公開された東京で大ヒットした。96分。

2004
7/3〜9
12:40
2:40
4:40
6:40
7/10〜16
朝10:40

当日券
一 般 1700円
大学生 1500円
シニア 1000円
中高予 1200円
会 員 1300円

前売券
一 般 1400円
大学生 1400円
会 員 1200円


※前売券販売は公開前日までです。
オフィシャルサイト

監督・脚本 荻上直子
撮影 上野彰吾
照明 鳥越正夫
録音 阿部茂、林大輔
整音 加藤大和
編集 普嶋信一
美術 松塚隆史
出演 もたいまさこ、米田良、森下能幸、浅野和之 ほか
2003年 96分