●肌の隙間 ピンク・ヌーヴェルバーグもすでに10年。「今ここにいる」現在性、自由と機動力あふれる撮影、圧倒的な数と質とがもたらす進化を日本映画に問い続けている。その作家たちを牽引してきた瀬々敬久が、「映画芸術」誌2004年度ベストワンに輝いた前作『ユダ』に続いて放つ感動的な最新作。 今もどこかでおこっているかもしれない衝撃的な事件がマス・メディアに喰い荒らされる直前のつかの間の空白時間を追いかけてゆく。地方都市〜山村地帯〜東京ベイ〜銀座を遍歴する放縦なロケーション撮影によって、ひきこもりの少年(小谷健仁:新人)と、少女のままで生きる自閉症の女性(不二子:『花と蛇2』)とがさまようヘンゼルとグレーテルのようなポップなおとぎ話は、現実に放り出されたふたりの過去の哀しみをほどいたり絡ませたりしながら、世界を感じてゆくこと、生きること見いだしてゆく感動的なさすらいでもある。共演、吉村実子、飯島大介。77分。 |
2005
当日券のみ 一 般 1200円 大学生 1200円 シニア 1000円 会 員 1000円 |
監督 瀬々敬久
脚本 佐藤有記
撮影 斉藤幸一
録音 山口 勉
編集 酒井正次
出演 不二子、小谷健仁、伊藤洋三郎 三浦誠己 他
2004年 77分