●アワーミュージック Notre Musique ジャン=リュック・ゴダール、3年ぶりの新作映画。激烈な内戦をくぐりぬけたサラエヴォを舞台にした第2部「煉獄篇」を中心に、記録映像や過去の自作の部分引用で構成された第1部「地獄篇」、そしてまばゆい光に(同時に不吉な気配にも)満ちた第3部「天国篇」で形づくられた、緻密かつ壮大な野心作。「9.11」以降の情勢を踏まえつつ、世界中で今まさに起きている悲劇を想起させながら、希望の光を求める祈りにも似たメッセージが全篇に響く。 第2部は、「本の出会い」というイベントに招かれたゴダール自身がサラエヴォに降り立つところから始まる。ユーゴスラヴィアの(今も終わらない)悲劇的な内戦の縮図ともいうべき街で、学生たちを相手に映画を講じるゴダール。それは映画の手法を、イスラエルとパレスチナ、ユダヤとアラブという世界の対立の図式になぞらえたものだった。街中のいたるところに、戦いの傷痕が残り、復興の兆しとコントラストをなすサラエヴォ。ゴダールの視線はカメラを通して世界と直結し、同行するユダヤ人ジャーナリストは、その瞬間を敏感に受け止める。受講生のひとりだった女子学生オルガは、一枚のDVDをゴダールに手渡す。その内容についての想像する力を観る者にも託すように。そして、帰国したゴダールのもとに、オルガのその後に起きた重大な事件の知らせが入る……。世界の理不尽さと希望への叫びは、第1部を回想させ、第3部を準備する。20世紀を清算し、21世紀をようやくスタートさせる転換点となる傑作。極限まで凝縮された80分。 12/2(金) 夜8:35〜 蓮實重彦氏来館!! 「ゴダール革命」出版記念 特別講演 入場料金 500円 (当日受付のみ・受付順に整理券配布) |
2005 11/26(土) 〜12/9(金)
当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 初日ご来場のお客様、先着20名様に「オルガの赤いハーモニカ」プレゼント! ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
撮影 ジュリアン・ハーシュ
録音 フランソワ・ミュジー
美術 アンヌ=マリー・ミエヴィル
2004年 80分