○デジタル技術のさらなる浸透で、より一層多様な表現が生まれつつある映像の現在。なかでも自主映画は、試行するためのリスクが少ないせいか、様々なチャレンジがなされています。19回目となる「自主FES」では、技術と表現の幅の広さを体感していただけるような作品をセレクションしました。 Aプロ boid主催で東京の夜を席捲している吉祥寺の「爆音上映」。9月に行われたサーフィン映画特集のために秘かに製作された短編3作品です。思いきり肩透かしを食わせる白い物体Tは、『亀虫』シリーズ以来、自主FESイチオシの冨永監督作品。圧倒的な不在感をピンク・フロイドの名曲にインスパイアされて贈るWish you were here は、静寂の激しさを聞き取ってください。新鋭佐向大作品ralph は、正真正銘のサーフィン映画。計28分。そして、冨永監督のshirley temple japon partU は、ひとつのストーリーが、やり方次第で全く別の映画として成り立つことをあっさりと提示してしまう、野心的かつ不思議な65分。 Bプロ アナライフ デジタルシネマの可能性を大きく広げる作品。自分の存在そのものにリアリティを持てない三人の人生が交錯する様を、テクニカルに紡ぐ。陰惨な事柄を、驚くべきユーモアで相対化するのは、合田健二監督に流れる関西人の血のなせる技か? 『狂わせたいの』の石橋監督絶賛の80分。 Cプロ PFFグランプリの『ある朝スウプは』と入賞作の『さよなら さようなら』を同時に送り出した映像製作集団群青いろ。主に脚本担当の高橋泉と俳優としても注目の廣末哲万。ともに監督もこなし、異なる個性が融合する希有な集団だ。初期作品蜂蜜(25分)またたき(7分)では、アイディアと編集の巧みさを。中編作中央線のところまで(38分)ゴリラのうた(35分)では『ある朝……』に連なる、コミュニケーションの複雑な距離感を。阿佐ヶ谷ベルボーイズ(40分)では、唐突な死を実感できない人々の心情を、重くも軽くもなく、あたかも自然な装いで描く。 Dプロ 風よけ PFF2000で『おかえりなさい、まんちゃん』の入選後も、地元名古屋で製作活動を続ける河本隆志監督の最新作。映画制作の現場で「風よけ」という珍妙な仕事を与えられた青年を中心に描く群像劇。立ち止まったり疾走したりの、105分。 |
2005 12/22
12/23
12/24
12/22・23 夜8:20〜 12/24 夜8:30〜 何でも持って来い!
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