●あおげば尊し 末期ガンの父親(加藤武)を、自宅に迎えた光一(テリー伊藤)。妻(薬師丸ひろ子)と母(麻生美代子)とで、最期を看取ることにしたのだ。頑固で厳しい教師だった父を見舞う客は誰もいない。小学校の教壇にたつ光一は、その姿を不思議な思いで見つめる。彼のクラスに、死に興味を示す子供がいた。生と死のリアリティを伝えることが出来ずに悩む光一は、父の姿を子供たちに見せようと決心する。床に伏すやつれた姿は子供たちには衝撃的だろうが、しわだらけの力ない手にこもる温かみは伝わるように思えた。そして最後の授業が始まった。 『病院で死ぬということ』で終末医療のあり方と家族の姿を描いた市川準監督が、12年を経て再度同じテーマに挑戦。テリー伊藤は、テレビで見せる軽さや激しさとは全く違う印象で、生と死に向き合う姿を真摯に好演しています。薬師丸ひろ子の柔らかな印象で家族を和ませる存在感も忘れがたく、何よりも、加藤武の壮絶な熱演には心打たれます。ぬぐいがたく重苦しいテーマと率直に向き合い、繊細な演出を施した監督の手腕も見事としかいいようがありません。82分。 |
2006 2/25(土) 〜3/3(金)
3/4(土) 〜3/10(金)
3/11以降の上映時間は、劇場までお問い合わせください。 当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督・脚本 市川準
原作 重松清
音楽 岩代太朗
撮影 小林達比古
照明 中須岳士
録音 橋本泰夫
美術 山口修
装飾 平井浩一
編集 三條知生
出演 テリー伊藤、薬師丸ひろ子、麻生美代子、加藤武 ほか
2005年 82分