●BOW30th 映画祭〜映画はわれらのもの〜 30年に渡りミニシアターの輝きの中心にあった、フランス映画社のBOWシリーズ、の中から、これこそが映画だ! と自信をもってお薦めするスペシャルセレクション。すべて傑作、ハズレなし。 ●ベルリン・天使の詩 Der Himmel uber Berlin 崩壊以前のベルリンの壁を主題に、人間に恋した守護天使の視線で描くファンタジー。相互理解をテーマの中心に据え始めたヴェンダース第二のデビュー作。128分。 ●悲情城市 A City of Sadness 侯孝賢の繊細な感性を知らしめた美しい映画。ある家族を中心に、台湾の過酷な歴史と(80年代における)現在を、壮大なスケールで、静かに、そしてすべるように疾走する159分。 ●ゲームの規則 La Regle du Jeu とある貴族の別荘での狩猟大会を期に集まった人々が鮮やかかつ華麗に繰り広げる人間模様を、的確かつ重層的に活写する、ジャン・ルノワール、畢竟の傑作。106分。 ●サクリファイス Offret 世界の痛みを一身に受けつつ、亡命したイタリアから冷戦末期のソ連への追慕に満ち溢れた、タルコフスキーの遺作にして、世紀末を再び予感させる荘厳な集大成。149分。 ●はなればなれに Bande a part マジソン・ダンスも軽やかな、アンナ・カリーナの魅力が伸びやかに輝くゴダール中期の代表作。96分。 ●ウイークエンド Weekend 週末の小旅行が、永遠の彷徨へと迷いこんでしまう展開は、『フォーエヴァー・モーツアルト』へと誘なわれているかの如く錯覚させる、ゴダール、現在への布石。104分。 ●霧の中の風景 Topio Stin Omichli 父親を追って、アテネからドイツ行きの電車に乗る幼い姉弟。辛く厳しい旅路のすべてと、冷徹に、そして優しく並走する、アンゲロプロスらしい幻想的映像詩。125分。 ●パリ、テキサス Paris, Texas ヴェンダースのメロドラマ的大転換となった、叙情的ロード・ムービー。必死に過去を乗り越えようとするH・ディーン・スタントンの勇姿、落涙必至。146分。 ●コントラクト・キラー I Hired a Contract Killer 自分自身に殺し屋を差し向ける冴えない男の平凡な毎日を、カウリスマキが諧謔に満ちたスタイルで描く。J・P・レオーのしょぼくれた気配も最高。80分。 |
2006
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