●恋人たちの失われた革命 Les Amants Reguliers 五月革命にゆれる、1968年パリ。20歳になったばかりのフランソワは兵役を拒否し、仲間たちと人生や芸術を語り、デモや集会に参加する日々を送っていた。機動隊との激突、投石と罵声、そして叫ばれる理想と自由への意志。そんなある日、彫刻家志望の美しい女性リリーと出会い、ふたりは一瞬にして恋に落ちた。深く共有される時間は永遠に続くかと思われたが、いつしか差異と孤独と退廃が生まれ、68年は過ぎ、69年がやってくる。 近年は『夜風の匂い』や『白と黒の恋人たち』など、喪失感そのものを描いてきたフィリップ・ガレル監督の最新作は、革命の昂揚をありのままに描き、その情熱が反転してしまう時間と意識の流れにリアリティを与えている。主人公には、ベルトルッチの『ドリーマーズ』でも好演した、実子ルイ・ガレルを配し、実年齢20歳の彼が見せる「瞬間の魅力」を結実させ、監督本人の姿を見事に投影させた。モノクロームの冴え渡るように美しい映像は、名手ウィリアム・ルプシャンスキーの手になるもので、鮮明なコントラストが神々しいまでの仕上がりを見せる。182分。 |
2007 3/24(土) 〜3/30(金)
当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 ※前売券販売は公開前日までです。 |
監督 フィリップ・ガレル
撮影 ウィリアム・ルプシャンスキー
音楽 ジャン=クロード・ヴァニエ
出演 ルイ・ガレル、クロティルド・エスム、モーリス・ガレル ほか
2005年 182分